SKE48 1stアルバム「この日のチャイムを忘れない」レビュー


9月19日発売されたSKE48初のオリジナルアルバム「この日のチャイムを忘れない」ある程度聴き込みましたし、63人63MVも全部見れたのでレビューを書きたいと思います。

楽曲レビュー

シングル曲は割愛します。

⑨フラフープでGO!GO!GO!

作詞/秋元康 作曲/田靡達也 編曲/清水哲也
TeamSが歌うこの曲は典型的なSKEの曲と言える元気あふれる曲になっております。
ただSっぽくないというか、あまり好きじゃない曲。

⑩叱ってよ、ダーリン!

作詞/秋元康 作曲・編曲/後藤次利
TeamKⅡが歌うこの曲は普通の曲かと思わせておいてサビの冒頭がとても特徴的な曲。
一度聴いたら耳に残る曲だと思います。作曲・編曲の後藤次利さんはおニャン子クラブやそのメンバーのソロ曲、とんねるず、福山雅治などの有名歌手に曲を提供している大物作曲家。

⑪みつばちガール

作詞/秋元康 作曲・編曲/後藤次利
TeamEが歌うこの曲は典型的なアイドルポップになっています。
そういう点ではSKEにはあまりないタイプの曲ですね。

⑫その先に君がいた

作詞/秋元康 作曲/小澤正澄 編曲/野中まさ雄一
研究生が歌うこの曲は6分を超える曲に仕上がった。
曲としてはAKBやSKEによくあるタイプの曲。研究生にこういう曲を歌う機会があるというのは良いことだと思います。伝統の引き継ぎじゃないですけどそれに近いものを感じました。

⑬拗ねながら、雨・・・

作詞/秋元康 作曲/ツキダタダシ 編曲/佐々木裕
セレクション8が歌うこの曲は今までのSKEからは想像も出来ないような曲になった。
例えとして適切かは分からないが、48Gよりもハロプロが歌っていそうな曲。
詩も「モノクロの街」「Rainy Night」のような今までの48Gにはあまりないような歌詞。
それでいて古臭さも感じさせない曲になったと思う。
非常に面白い試みだし、アルバム曲だからこそ出来たのではないかと思う。
作曲のツキダタダシさんはももクロの隠れた名曲(というか私が一番好きな)「オレンジノート」や「コノウタ」AKB48の歌詞が話題をさらった「アンチ」そしてSKE48の「1!2!3!4!ヨロシク!」といった特徴的な曲を手掛けている現在アイドル業界でも注目されている作曲者。
編曲の佐々木裕さんは48Gの曲やアニソンを数多く手掛けている

今回のアルバムの不満点は新曲が少ないという点に尽きます。
シングルを持っていない新規ファンには嬉しい内容になっていると思いますが、シングルを全て持っている身からすると満足は出来ません。
後、AKBのカバー曲はいりません。少なくとも初のオリジナルアルバムには入れてほしくなかったです。ヘビロテの冒頭で壮大に吹きそうになりましたがw

63人63MVレビュー

この特典映像は本当に素晴らしいと思います。
推されとか干されとか関係なくメンバーが好きな曲でオリジナルのMVを作る。
更には楽曲もそのまま使うのではなく、そのメンバーが新たにソロで録ったものを使う。MVも中々良い出来になっていましたし、普段中々分からないメンバーの歌唱力もある程度分かりました。こういう素晴らしい企画こそ色々なアイドルに真似してもらいたいです。短文ですが、各MVのレビューを以下に書きたいと思います。

TeamS

大矢真那「チョコの行方」

真那にパッツン髪型は似合わない。チョコになるのかもどうかと思った。ただ曲の解釈はきちんとしているし、何より大好きな曲でMVが作れて真那が喜んでいるのが一番重要。

加藤るみ「誰かのせいにはしない」

予想以上に良かった。曲の解釈も適切だったし、何よりもるみの佇まいが良い。新しい発見。

木崎ゆりあ「狼とプライド」

可愛らしい曲に可愛らしいMVなんだけど、何かエロかったw

鬼頭桃菜「微笑みのポジティブシンキング

とにかくエロかった。

木下有希子「思い出以上」

映像はきちんとしていて良かったんだけどやっぱり崖は何か違和感。

桑原みずき「女の子の第六感」

この曲をコミカルに描けるのはカツオだけ。その中でも得意のダンスを存分に見せるなど監督がカツオの魅力をしっかり引き出していた良い作品。

菅なな子1!2!3!4!ヨロシク!

走るというシンプルな行為をシンプルに撮影したが中々の作品に。後、なんなんはグラビアやったら凄いことになりそうと再認識。

須田亜香里「Doubt!」

非常にベタな内容なんだけど、だーすーのバレエを上手に丁寧に撮影しているのでベタということが気にならない。後、だーすーは笑顔の印象が強いけど今回や片φ、少女は真夏に何をするの時のように影を感じさせる表情が凄い魅力的だと思う。

高田志織バンザイVenus

コミカルさを上手く出せていたと思う。しかし焼きそばとは。

出口陽「遠くにいても」

何よりもまず歌が上手い!そしてこの曲この歌の良さを引き出すにはシンプルな作り、そして栄での撮影というのは監督の英断。

中西優香「ロープの友情」

手は込んでると思うけど、あまり好きにはなれない作品。もっと良い方法があったのではないかと。

平田璃香子「恋を語る詩人になれなくて」

この曲からガールズバンドというのは意外な感じもしたが、曲を適切に解釈しながらも新たな魅力を提示していた。印象に残る作品。

平松可奈子「大好き」

曲のイメージそしてもきゅのイメージを存分に引き出していた。

松井珠理奈「Glory Days」

松井珠理奈の魅力は何かと聞かれたら答えに窮する。魅力が多すぎるから。ただ最も分かりやすい魅力は元気いっぱいに楽しそうに踊っていることだろう。その点で監督は珠理奈の魅力を存分に引き出すためにあえてシンプルな構成を用いてMVを作ったと思う。そしてそれは成功したと言える。やっぱり珠理奈が踊っている姿が大好きだ。

松井玲奈「枯葉のステーション」

枯葉のステーションの雰囲気をそのまま切り取ったかのようなMVに仕上がった。欲を言えばもう少し侘しさを出して欲しかった。

矢神久美「花火は終わらない」

今回の63のMVの中で最高のMV。冒頭のくーみんの表情は女優のそれを思わせるような魅力を孕んでいる。このMVの特徴として挙げたいのが「静」と「動」の絶妙なバランスだ。簡単に言っているがこれを表現するのは本当に難しい。しかし、くーみんは完璧に表現している。更にはこの「静」と「動」に花火の美しい映像が重なり合って更なる次元へと高めている。曲の解釈、構成、そして表現。全てにおいて非常に高いレベルの作品。

TeamSのメンバー16人のMVはどれも非常に良い作品になっていると思います。その原因としては監督が曲を適切に解釈していること、そしてメンバーの魅力を認識してそれを最大限に引き出そうとしていることだと思います。メンバーの曲への愛情も感じます。そして監督もメンバーの想いを感じて、一緒になって良い作品を作り上げたと言えるのではないでしょうか。私がS推しなので贔屓目が入ってしまうかもしれませんがSのMVが圧倒的に質が高いと思いました。

TeamKⅡ

赤枝里々奈「会いたかった」

この作品は監督が素晴らしい。コミカルさを出しながらも演者の魅力を最大限に引き出した。

阿比留李帆「バズーカ砲発射!」

センスを感じなかった。

井口栞里「合格Kiss」

いぐっちが思ったよりも可愛かった。構成は微妙。

石田安奈「嘘つきなダチョウ」

曲とMVの雰囲気が非常にマッチしていた。ただ文字の表記があるのは微妙。文字に頼らず映像で勝負してほしい。

小木曽汐莉「寡黙な月」

ごまがめっちゃ可愛く撮れている。万華鏡をモチーフにしたシンプルなMVだけどそれがまた曲の雰囲気と合って良かった。

加藤智子「Nice to meet you!」

なんでゴルフ?

後藤理沙子「アンテナ」

ごりさはやっぱり美少女。MVの演出自体はありふれたもの。

佐藤聖羅「ピノキオ軍」

コメントに困る内容。

佐藤美絵子「ごめんね、SUMMER

思春期の女の子の初恋を姉さんが歌うだけでここまで変わるとは。個人的には海岸でMVを撮ったらどうなるかを見てみたい。

高柳明音お待たせSet list

色々と酷過ぎる。

秦佐和子「ラムネの飲み方

金麦のCMの檀れいを思い出したのは私だけではないはず。監督も絶対意識しているはず。しかし、しゃわこは本当に色々な表情を持っていると感じた。金麦のCMに是非しゃわこを!

古川愛李「バンジー宣言」

非常に手が掛かっている作品。アニメ好きなあいりんにはぴったりの作品。63MVの中で最も自分のやりたいことをやれたのはこのMVなのではないだろうか。監督をはじめとしたスタッフも素晴らしい仕事。

松本梨奈「クロス」

まつりなの表情は凄く良いのだけど三分割が気に入らない。後、何で滝?

向田茉夏フィンランド・ミラクル」

文字に頼る映像は好きじゃないし、この作品は多用しすぎている。しかし、茉夏がめちゃくちゃ可愛く撮れているのでその点でこの作品の監督は良い仕事をしたと言える。

矢方美紀「アイシテラブル

矢方の魅力を改めて感じることは出来た。ただMVは微妙。

山田澪花「ウイニングボール」

正直全く期待していなかったのだけど予想以上に素晴らしい作品になっていて驚いた。とにかく、曲を適切に解釈してそれに基づいたストーリーに沿って進めながらも、カット割りで変化をつけてラストに持っていくという構成。王道といえば王道だけど非常に完成度が高かった。

KⅡのメンバー16人のMVは非常に出来にばらつきがあると感じました。その点でSのメンバーのMVと比べると不満を感じました。一方でSが曲に基づいた王道のMVが多かったのに対してKⅡは非常に個性的なMVが多かったと思います。それが上手く作用した作品もあったのでそこが良かった点です。

TeamE

磯原杏華「純情主義」

安易な二項対立の図式の典型

上野圭澄「水のないプール」

スク水がエロすぎた。

内山命「雨のピアニスト」

映像は凝ったものを作ろうとしているんだけど、発想が自主映画を始めたばかりの大学一年生。

梅本まどか「声がかすれるくらい」

手抜き。

金子栞「羽豆岬」

語るに値しない。あまりにも可哀想。

木本花音天使のしっぽ

シンプルかつ王道的な作りだけど花音の可愛さを伝えるという点で上手く撮れていた。曲調が可愛いものなのでこの路線が正解だと思う。

小林亜実青空片想い

監督のやりたいことは分かるけど・・・

斉藤真木子「少女は真夏に何をする」

曲の解釈が面白い!普通に解釈すればオリジナルのMVをなぞる形になってしまう。そこで、そこで解釈を少し変えて自己の中で完結させる形をとった。表現も面白いし、Eの作品では一番良かった。

酒井萌衣「ときめきの足跡」

中々良い作品に仕上がっていた。この曲は「ときめき」をどう解釈するかで変わってくると思うが王道的な解釈の仕方だった。

柴田阿弥「パレオはエメラレルド」

色をいじるというのはそれ相応の意図が無い限りやるべきではない。

高木由麻奈「青春は恥ずかしい」

吹いたwwwインパクトはトップクラス

竹内舞「パパは嫌い」

二項対立なんて誰だって思いつく

都築理佳「命の使い道

歌が予想以上に上手くてびっくりした。映像は可もなく不可もなく。

原望奈美「オキドキ」

編集が上手い。シンプルながらも飽きさせない作りになっている。はらみなの魅力を上手く伝えている。

古畑奈和「手をつなぎながら」

可愛いから全てOKと言いたくなってしまうがSKEの魂ともいえる手つなをこんな意味不明な解釈にしたのはありえない。オチもバレバレの駄作。

山下ゆかりパジャマドライブ

詩に忠実にMVを作ったという印象。中々上手く纏まっているし、結構手間もかかっていると思う。

S、KⅡと比べて明らかに手を抜いている作品が多かったのが非常に残念です。私みたいにEのことをそこまで知らない人間からするとこういう特典映像などで興味を持ったりするのでもっと力を入れてほしかったですね。とにかく安易な設定が多すぎる。正直な所学生でも考えられるような作品が多数。その中でも斉藤真木子、原望奈美、木本花音は監督に恵まれたという印象。酒井萌衣や山下ゆかりもシンプルかつ王道ながらも纏まった良い作品になっていた。

研究生

市野成美「PARTYが始まるよ」

こんな作品で魅力が伝わるとでも?

犬塚あさな「コスモスの記憶」

変わったことをやろうとして失敗した典型例。

岩永亞美「兆し」

シンプルながらもカット割りがしっかりしていて丁寧に作られた作品。非常に好感が持てる。

江籠裕奈SKE48

監督の意図が空回りしたという印象。

大脇有紗「ロマンスロケット」

面白さを伝えようとしているのは分かるしその意欲は買いたいけど・・・

荻野利沙「万華鏡」

万華鏡の詩が持っている魅力はこんなものじゃないと思う。

小林絵未梨「涙の湘南」

安易な二項対立の作品の中では一番意図を感じることが出来た。

新土居沙也加強き者よ

詩の表面のみを切り取って何も考えずに作った最悪の作品

日置実希「恋のPLAN」

手抜き作品。

藤本美月片想いFinally

手抜き。そもそも選曲ミスでは?

二村春香「チャイムはLOVE SONG」

凄く凝っているのは分かるんだけど・・・

松村香織「青空のそばにいて」

もっとシンプルでも良かったと思う。

水埜帆乃香「ディスコ保健室」

前半はかなり良かったが、後半の失速が惜しまれる

宮前杏実

詩に忠実に再現している。最後の風船がハート方型になっているのも凝っているし、監督スタッフに恵まれたという印象。中々良い作品。

山田みずほ目が痛いくらい晴れた空

最後を飾るのに相応しい作品。予想の上をいく作品だった。研究生の中では一番好きな作品。衣装がシンプルかつ映える色なのもよい。

研究生の作品はEの作品と同じく安易な解釈が多くて残念でした。

総括

色々と厳しいことも書きましたが、全体としてはとても満足が出来る特典映像になっています。これだけで商品として売り出しても全くおかしくはありません。
個人的に好きな作品をランク付けると
①矢神久美「花火は終わらない」
松井珠理奈「Glory Days」
山田澪花「ウイニングボール」
小木曽汐莉「寡黙な月」
⑤加藤るみ「誰かのせいにはしない」
といった感じでしょうか。

※追記

改めて見返していると面白いことに気づきました。
63の作品の中でレターボックスを採用している作品が6作品あったことです。
その6作品とは以下の作品でした。
加藤るみ「誰かのせいにはしない」
平松可奈子「大好き」
松井玲奈「枯葉のステーション」
矢神久美「花火は終わらない」
内山命「雨のピアニスト」
小林絵未梨「涙の湘南」
この6作品はどれも映像に拘った作品だと思います。(成功したかは置いておいて)
MVを作る際に普通はレターボックスは使いません。
レターボックスは映画的な映像を作りたいときに使うものです。(勿論、映画が全てレターボックスではありません。とりわけ16:9になった今では)
しかし、やはりレターボックスを使うと普通の映像とは異なった雰囲気を作り出すことは間違いないと思います。(余談ですが、私が自主映画を作ったときもレタボを用いました)
曲との相性や演者の魅力などを総合して考えてこの6作品の監督はレターボックスを使ったのではないでしょうか。
こういう部分での違いもこのような企画ならではだと感じました。